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AIで自動検索して比較する方法【授業準備3.0】

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授業中に盛り上がるクイズ型の学習ツールはQuizletやQuizizzが有名ですが、もっとゲーム性を高めたものもあります。楽しいクイズツールをいくつか知っておくと、いざというときの「奥の手」として重宝するでしょう。

問題は、学習者や教師の授業スタイルに合った新しいツールを探し出すのに多くの手間と時間がかかるということです。こうした手間と時間をAIで軽減させよう!というのが「授業準備3.0」の基本的な考え方です。

「授業準備3.0」とは

ウェブ検索に依存していたWeb2.0的な授業準備をする時代は終わりました。AIを活用した授業準備はそこからバージョンが1つ上がって、授業準備3.0とでも呼ぶべきものでしょう。これまで教師がGoogleなどで検索して、関係ありそうな情報を1つずつチェックしていた手間や、手作業で授業のアウトラインやスライドを作成していた手間の全てがなくなるわけではありませんが、その大部分をAIで自動化することが可能です。

現状、ChatGPTだけでは授業準備3.0には不足

AIを活用した「授業準備3.0」の実践のためには現時点でChatGPTだけではまだ不十分であるため、マイクロソフトのBing Chatを使うのがおすすめです。

ChatGPTは2021年9月以降の情報や出来事については学習していません。最新の情報をもとに文章を生成する場合、ウェブ検索を組み合わせる必要があります。有料版のChatGPT Plusでプラグインを使えばウェブ検索は可能ですが、Bing Chatなら面倒な操作無しでChatGPT Plusよりもはるかに高速にウェブ検索ができます。しかもBingは無料で利用できます。

Bing AIはもともと検索エンジンであるBingにGPT-4の機能を統合したもので、初めからインターネット上の情報検索を目的として作られています。したがって無料版のChatGPTよりも多くの情報にアクセスでき、検索結果を元に様々なコンテンツを生成できます。

教師はもっとBingを使うべき

以下のTwitter(𝕏?)のアンケート結果は50人程度でバイアスも大きいため、参考程度にしかなりませんが、それでも半数以上はBingの「使い方がわからない」「何ですかそれ」という回答でした。

ChatGPTと同程度か、それ以上に使っている人は1割未満です。回答してくれた人が教師だと想定すると、これは教育業界にとって非常に大きな機会損失でしょう。ちょっと衝撃的です。

筆者らいけんは「ググレカス」というブログを書いているだけあって、かつてはウェブ検索の鬼でしたが、最近は「ググる」よりも「ジピる(ChatGPTを使う)」か、またはBingに検索をさせることが8〜9割です。Googleの利用が極端に減りました。それくらいBingが便利だからです。

Bingをまだ使ったことがない人は、お願いですから、ぜひ今日から使い始めてください。無料です。こちらからどうぞ。

授業で使えるクイズツールをAIで自動検索して比較する方法

今回ご紹介する方法では、Bingが自動でウェブ検索をし、必要な項目を抜き出し、比較表を作成します。情報の収集からアウトプット形式を整えるところまで、すべて自動で完結します。一度これを知ってしまうと、本当にググるのが馬鹿らしくなります。ぜひお試しください。

では、ここからは筆者ががどのような試行錯誤をしてこのプロンプトを書いているかの過程をお見せします。

プロンプト1:とりあえず知りたいことをきいてみる

筆者は事前にWordwall、Gimkit、Blooketが優秀なツールであることを知っており、比較対象にしたいと思っていたので、そのものズバリの固有名詞を明記しています。まったく知らないことを調べる時は何も書けないので「〜なものを教えて」という書き方になります。

そう、こういう感じです。

しかし、上記の検索結果を見てください。「価格や特徴を」比較せよ、とやや曖昧に指示したのですが、「価格と特徴」しか比較してくれませんでした。これは「GPT-4の母語は英語であり、日本語で話しかけても英語的な頭脳で理解している」と考えると納得がいきます(実際にはそのような発表はされていません。これまでのGPTの挙動から筆者が想像したものですので、主観的な推察です)。

そこで改善したものが次のプロンプトです。

プロンプト2:比較項目を増やす

ここでは「価格や容量制限、ゲームの種類などの特徴を適切に抽出」してね、と指示しましたが、やはり言われたことしかできません。どのようなゲームがあるのかを知りたかったのですが、ゲームの種類の合計を数で教えてくれました。これはこれで便利な指標ですが、欲しかった情報とは少しずれています。

プロンプト3:AIにもっと考えさせる

あまりにもBingが言われたことしかやらないので、もっと頭を使うように指示を変えました。プロンプトを意図的に小さいタスクに分散すると効果的です。ここでは、

  1. クイズプラットフォームを10個以上探して

  2. 比較項目として適切な要素を抽出して

  3. 表形式で比較して

という3つのタスクを指示しています。「次に、〜」という表現を入れて、まったく異なるタスクを別々に実行せよという意味を強調しています。

するとどうでしょう。いきなり表で結果を表示せずに、上記の流れに沿って情報検索と整理の過程を見せてくれるようになりました。

そして「比較するために、以下のような項目が適切だと思います」と自分の意見を言い始めました。これですよ、こういう仕事をして欲しいわけです。やる気のない人間に頼むより圧倒的に高品質な仕事です。これで、ゲーム要素や報酬要素など、ゲーミフィケーションをどれだけ重視しているかを判断できる有意義な指標を思いつくことができました。いや本当に素晴らしい。

しかし、頭を使いすぎたBingはここで力尽き、表も途中で切れてしまいます。続きを表示させても、知りたかったWordwallやGimkitの情報が出てきません。これはプロンプト3の「〜のようなプラットフォームを探して」という表現が悪いことが原因であるとも考えられます。そこで筆者が満足できるように改良したものが以下です。

プロンプト4:完成

今回のニューズレターはここまでです。この続きとBing利用時のコツ、注意点などが 連載:教師のためのChatGPTガイド(4)「授業準備3.0」でもっと賢く授業準備をする でお読みいただけます。

本書ではChatGPTの他、Bingの利用方法も解説しています。

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